• 教科書通りではない、
    患者さん一人ひとりに寄り添う看護を

    学生時代の実習先の1つがここ「直方病院」でした。雰囲気がよく、先輩看護師も優しい方ばかり。こんな環境で働きたいと入職を志望しました。内科・循環器科の患者さんが入院されている病棟の配属になり、状態観察、点滴投与、保清、日常生活のサポートなどを行っています。状態が悪かった患者さんが回復し、歩行器を使って一人で歩かれている姿を見たり、清拭をしているときに「ありがとう」という言葉をかけてもらえたり。患者さんからの嬉しい言葉や温かい笑顔に、この仕事のやりがいを感じますね。一方で、認知症の患者さんなどは、こちらから何度訴えかけても内容を理解していただけないこともあります。教科書通り、話をしっかり聞ける時間を確保できればいいですが、なかなかそうはいきません。全ては教科書通りにできるわけではなく、患者さん一人ひとりに行うべき看護が違うことを現場に出て学びましたね。

  • 手厚いフォローのもと、
    着実に成長できる環境があります

    直方病院は雰囲気がすごくよくて、主任も師長も皆さん声をかけやすいので、働きやすい環境だと感じています。入職1年目は2ヶ月に一度の外部研修で基礎的な内容の研修があり、2年目以降は年間を通して直方市看護協会が主催する研修に参加します。これまでに心電図、褥瘡、認知症などを学ぶ研修に参加。自分から「こんなことを勉強したい」という希望を持てば、学ぶ機会をいただける環境であり、すごく恵まれています。私は入職後、ACLSプロバイダーの資格を取得しました。今年中にACLS-EPの資格を取得し、救命救急の知識、スキルを高めていきたいと思っています。

    1年目の頃はわからないことがあればすぐに先輩に質問していましたが、2年目、3年目ともなれば後輩もでき逆に聞かれる立場になります。先輩方が私の質問に答えてくださっていたように、私もしっかり答えることができなければ、後輩たちを困らせてしまいます。だから、後輩たちの質問にしっかり答えることができたときは、自身の成長を感じますね。

    当病院はプリセプター制度もあり、年齢の近い先輩がマンツーマンで指導してくれますし、プリセプターだけでなく、チーム全体で新人さんを育てていこうという体制が整っています。新しい環境は不安もたくさんあるかと思いますが、手厚いフォローもありますし、安心して入職して欲しいと思います。

  • 子育てと仕事を両立。
    子どもの成長が励みになっています。

    私は今、双子の息子を育てながら働いています。病院に来るまでの間に気持ちを入れ替えて、病院にいる間は仕事に没頭し、帰るときに再び子どもに向き合うモードに切り替えるという感じですね。夜勤もありますし、寂しい思いをさせることもあるだけに休日はしっかり休んで子どもたちと過ごしています。とはいえ、子どもたちも9歳になり、かなりしっかりしてきました。先日も「ママ、仕事で疲れているやろ、横になってていいよ」と言ってくれて。子どもも理解してくれているんだなって嬉しくなりましたね。

  • 患者さんから「ありがとう」の言葉に
    やりがいを実感!

    当病院は筑豊という土地柄、お年寄りの患者さんも多く、人生経験豊富な皆さんとお話させていただくことは、仕事という枠を超えて人として学ばせていただくことがたくさんあります。一方で、環境の変化によって認知ができなくなってしまう方もいて、ご自宅では問題なかったのに病院では夜になると不穏が出てしまう方もいらっしゃいます。けれど、入院生活に慣れていくうちに不穏も落ち着かれて、元気になり笑顔でご自宅に帰っていかれるのを見ると、私も嬉しい気持ちになります。患者さんから「いつも元気をもらっているよ」「ありがとう」といった言葉をいただけたときは、この仕事をしていてよかった!と思いますね。

    現在は教育委員として病棟のスタッフに知識や技術を伝えていく立場でもあります。外部の勉強会に積極的に参加するなど、常に学び続けられる環境があることは、とてもありがたいですね。准看として入職して5年、正看になって2年。自分でもまだ未熟な部分があることを感じつつも、後輩たちの指導ができるようになったことに、自身の成長を感じます。私自身、何もわからない状態で入ってきたので、新人さんの気持ちがすごくよくわかるんですよね。可能な限り時間をかけて、丁寧に教えてあげられたらいいなと思っています。

仲村:
先田くんとはほぼ同世代。
私たちが就職した時は、もちろん「手に職を」って思う子もいたけど「誰かのために…」とか
「困っている人の力になりたい」っていう考えの人が多かったように思うの。

先田:
そうかもね。
最近の学生に話を聞くと「勤務地」「条件面」とかそういった声をよく聞く気がするね。 自分は、オペ室での勤務が長いけど、手術って一生のうちに何度も受けるものではなくて、患者さんにとっては人生の一大事。だからこそ、自分も精一杯携わらないといけないと思うし、しっかりと向き合うことが大切だよね。

仲村:
私は、2016年3月から副看護部長に就任したけど、それまではずっと助産師として仕事をしていて。田川市にはお産ができる病院が2つしかなくて、この地域に暮らす母子の健康を守り、地域に貢献したいと思いが強く、それがやりがいになっているよ。

先田:
大切なのは、どこに配属になっても一生懸命取り組むこと。僕はオペ場で初めて看護の奥深さを知ったけど、「勤務地」や「条件面」だけを見るんじゃなくて、目の前のことに一生懸命取り組んでいれば、自ずと道が拓けると思うな。

仲村:
最終的にはどんな仕事でも「好き」という気持ちを持っていないと続かないよね。
だからこそ、一人ひとりにとっての「好き」を見つけて欲しい。私もたくさん失敗してそれを糧に成長してきたから、失敗を恐れず挑戦して欲しいと思うよ。

先田:
僕は学生たちに「先輩たちは磨粉」という話をするんだよね。激しく怒られることもあるだろうけど、先輩たちが磨いてくれるからこそ光ることができる。それぞれが進みたい道で、磨粉となってくれる先輩たちを見つけてほしいと思う。